躍進するチームを牽引する21歳のスイス代表
そしてウィンターブレイク開けの初戦、1月24日には、早くもホームのボルシア・パークへと名実共に世界最強となったバイエルン・ミュンヘンを迎えることになる。あくまで個人的な見解だが、挑戦者としてのスピリットを上手く勢いに載せることが出来たなら、バイエルンを相手にしてもドローに持ち込める可能性が30%ほどはあると見ている。
新星アーノルドが台頭する5位ヴォルフスブルク、細貝萌が獅子奮迅の活躍を魅せ、FWラモスがレヴァンドフスキに並んで得点ランク1位へと躍り出た6位ヘルタ・ベルリン、そして十分地力のある内田篤人所属の7位シャルケも、CL出場権争いに食い込んで来るだろう。この争いは、昨シーズンに続いて最後まで目が離せなくなるはずだ。
そしてそのCLへの挑戦権を争う6チームの中で、また個人的に最も気になるプレイヤーは、21歳のスイス人である。ボルシアMGのボランチとして開幕戦から出場を続ける青年は、ここにきて中盤の底でキープ力、安定感を存分に増してきている。
オレンジ色のスパイクは長短織り交ぜたパスを配給し、攻撃の源となり、その存在を一層際立たせる。その名を挙げれば、列車、記者席で隣り合わせたファン、ドイツ人記者も納得する。
スイス代表では10番を背に、10月15日に行われたブラジルW杯欧州予選グループE、スロベニアとの最終戦では1-0の決勝点となるゴールを挙げた。どこかクリスティアーノ・ロナウドを彷彿とさせる風貌を持つ男は、ブラジルのピッチにも立つに違いない。
そしてそう遠くない将来、ビッグクラブに移籍することになるだろう。ボルシアMGのCL出場権獲得の行方は、この褐色の目の向こうにありそうだ。
グラニト・チャカ――新たなスター誕生の予感が漂う。
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