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バロンドール授賞式直前、リベリー独占インタビュー。「自分は今、最高潮。選ばれなくても何か足りないとは思わない」

text by マテュー・デラートレ photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

「今の俺には、前にはなかった、『欲』がある」

――そのおかげで自分のプレーで変わったと思うところは?

「シュートの決定力が上がった。俺は元々パッサーだったが、最近はチャンスがあれば、自分から打つようにしている。距離に関係なく、少し遠目からでも、至近距離からでもね。何か違うことをやってみたいんだ。そうだね、それが自分のプレーで変わった部分だと言えるかもしれない。今の俺には、前にはなかった、『欲』がある。

 ゴールを決めたい。チャンスを自分でものにしたい……といった『欲』だ。それに、そうやって決めたシュートが、重要な得点になることがよくあるんだ。スーパーカップのチェルシー戦や、チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦、プルゼニュ戦のゴールもそう。それって最高だろう?

 ガキの頃、俺はジャンピエール・パパンのファンだった。彼が決めるシュートが大好きだった。どこからでも、どんなポジションからでもシュートを決めてしまう真のアタッカーだった。俺には、彼のような天性のゴールの嗅覚はなかったが、時とともに、それが少しずつ養われてきた感じがしているんだ」

――バロンドールの最有力候補級の選手になったことで、日常生活も変わったりしたのかな?

「たしかに、常にプレッシャーと隣り合わせであることは自覚しているね。それにもう30歳だから、体のケアには前よりも気を遣っている。24、25才のころは、ピッチに上がってすぐにボールを蹴ったりできていたけれど、今はとても無理だ。入念にアップしてからでないとね。

 だからウォームアップにはものすごく重点を置くようになった。ユップ・ハインケスが監督のときは、週に2日休みがあることが多かった。だけど、俺的には、2日間体を動かさないのはかえってよくない。休みの日にも、たとえ少しの時間でも何かしなくては、と感じるようになった。

 だから、スポーツクラブに通っているよ。一人で行くこともあるし、妻を連れて行くときは、2人で一緒に何かやったりもする。たった20分間のジョギングでもいいんだ。ほんの少し汗をかくだけでも、俺にとってはものすごく大事なことになってきたと感じているよ」

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