「今、自分の能力の最高潮に達している」
――仮に君がバロンドールに選ばれなかったとしたら、何が足りなかったからだと思う?
「正直、何もない。パフォーマンスの質はずっとキープしているし、チームに貢献する働きもしてきた。それに、バイエルンというクラブの一員であったおかげで今年はあらゆるトロフィーを手にすることができた。(選から漏れたとしても)自分に何かが欠けていたからだ、とは思わない」
――ということは、もし受賞できなかったら不当だという気持ちも…
「少しはあるね」
――小さい頃は、「一番高いところまで登りつめたい」と言っていたそうだね。今そこに到達している、という思いはある?
「そう思うよ。今、自分の能力の最高潮に達している気がしている。本当のトップ、てっぺんだ。これまでも、すごく調子の良いシーズンはあった。でも、今のこの感じはそれとはまた違う。
俺はもうガキじゃない。30だ。経験も積んだし、分別もある。それに加えて、ピッチの上では自分の才覚をどうやって発揮したらいいか、ということを自分自身でコントロールできるようになった」
――それは本音かい? 以前は、コントロール不能な自分に満足していたような気がするけれど?
「もちろん、いろんなことをやってやりたい、という欲求はあるさ。思い切り走って、攻撃をしかけて、ディフェンスもして、いつも全部を出し切る。今は、俺をサポートしてくれるコーチング・スタッフがいて、いろいろな面で支えてもらっているしね」
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