かなり早い段階から欧州系のサッカー哲学やスタイルに触れたこと
ディド・ハーフナー、ビル・フォルケス、ハンス・オフト、スチュワート・バクスターなどだ。その外国人指導者の指導を身をもって体感したある指導者はいう。
「それまでの日本サッカーは個人ありき。たとえば、加藤久さんがセンターバックに入るならばそこを軸にして誰々を招集してチームを作るというもの。
Jリーグが開幕しても南米系の指導が主流だったけれど、広島の場合、かなり早い段階から欧州系のサッカー哲学やスタイルに選手として触れることができた。
もちろん、それぞれの外国人指導者たちには良し悪しはあったけれど、今までなかった新鮮なものに数多く触れられたので、選手たちはそれぞれがサッカー観を養うことができたんだと思います」
あれからおよそ20年後、かつて確固たる哲学を持った外国人指導者に薫陶を受けた選手たちが、Jリーグの指導者として最前線で活躍しているのは、果たして偶然だろうか。
いま、しっかりとした哲学やスタイルを持つ指導者たちのさまざまな指導を享受している選手たちが将来、指導者として活躍するとするならば、そのころのJリーグはどんな顔ぶれが最前線の指揮をけん引しているだろうか。
【了】