人生を変えるかもしれない善意
欧州に長く住んでいると、サッカーとその社会のかかわりということを深く感じさせられる。選手たちには、子どもたちの身近なヒーローとしての役割があるのだ。多くの場合、選手自身も20代であり、その若さにも関わらず自らの役割を自覚している選手が多いことに驚かされる。
いちいちニュースにはならないが、誰もが知っているスペイン代表の選手自ら、自身の意志で病院に足を運び、空いている時間を利用して慰問しているケースもある。彼らはメディア受けしようと思って、慈善事業を行っているわけではない。自分の一つの行動が人々に希望を与えることにつながることもある、と知っているのだ。
サッカーは大きなお金が動くし、スポンサーの意向のもと日々、企業スポーツと化してきている部分も多いが、サッカー選手の、クラブのちょっとした善意が一人の人生を変えることもある。
この日だけは、戦争を行わないと人類が決めた日。宗教や国境を越えて、少しでも多くの人達がサッカーを通じて幸せなクリスマスを過ごせますように、と心から祈らずにはいられない。
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