2連戦でポジションを掴んだ内田
予期せぬ状況が起きても、自分のやるべき仕事を確実に出せるようになったのは、ドイツでの進化だろう。この時点ですでにシャルケはUEFAチャンピオンズリーグに参戦するなど、内田は重圧のかかる大舞台を何度か経験しつつあった。
その自信と余裕がザックジャパン発足2連戦からも見て取れた。そんなパフォーマンスを新指揮官も前向きに受け止めたことだろう。
韓国戦での駒野の負傷もあって、内田の日本代表における存在感は試合を追うごとに高まっていくことになる。その未来を感じさせるようなアルゼンチン・韓国2連戦だった。
注目すべきは最初の練習で既に「シュートを打たない」と指揮官に指摘されていることだ。日本代表の攻撃が停滞したときによく言われるのがこの“シュート意識”の欠如。ザッケローニ監督は早々とチームの弱点に気づいていたのだ。
果たしてブラジルの地で日本代表は、イタリア人監督がチーム発足時から思い描いていた姿を見せることが出来るのか。問われるのは指揮官の4年間の指導力と、選手たちの成長、その両方だ。
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