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元浦和フィンケ監督によって蘇ったカメルーン。W杯ベスト16への最大のポイントは“内部分裂”の防止

text by 河治良幸

勝ち抜けのポイントはボール支配率か

 ヌクルが統率するディフェンスは予選8試合で4失点という結果が示す通り、アフリカの中ではかなり強固なレベルを誇っている。攻撃的なスタイルを掲げながら守備のリスク管理も怠らせないのはフィンケ監督らしいが、彼らの守備が安定していたのは基本的に中盤の主導権を握っていたからとも言える。

 DRコンゴやチュニジアとの試合でも、相手に中盤で起点を作られ、下がりながらの守備を強いられたところではディフェンスラインのポジショニングがバラバラになり、相手のシュートが正確なら1点という場面が1試合に何度かは見られた。似た様な状況がブラジル戦で出たら、ネイマールやフレッジに確実に仕留められてしまうだろう。

 メキシコとクロアチアはブラジルほどの決め手は無いものの、中盤でパスを回し、サイドに起点を作るスタイルが現在のカメルーンと共通する。この2チームに対しては何とかボール支配率で上回り、自陣で守る時間を減らしたい。3試合とも中盤の攻防から厳しい試合になるが、ここで負けずに自分たちのリズムを呼び込めるかどうかが勝負の生命線だ。

 そしてカメルーンは大会中にチームが分解せず、チームとしてしっかり戦えるかどうかもポイントになる。そのためにもフィンケとエトーが手を結びあって、選手たちが勝利を目指して戦うために鼓舞していくことが求められるのだ。


担当記者による分析
目標:ベスト8
ノルマ:1勝

【了】

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