全体的にはやはり小粒か
新監督の下で大幅に顔ぶれが変わるのがDF陣。一時代を築いた守護神シュウォーツァーの引退で、当面はマット・ライアンとミッチェル・ランゲラクという若い二人の正GK争いが続く。
DFラインも、日本人のクオーターであるジェイソン・ディビッドソン、ウェールズ代表を蹴ってオーストラリア代表を選んだリース・ウィリアムズ、ブリスベン・ロア時代からのポスタコグルーの“子飼い”イヴァン・フラニッチなど、前体制でチャンスを貰えなかった若手・中堅が、順当に活躍の場を得る。
前述のブレシアーノ、そしてプレミアリーグのクリスタルパレスで存在感を発揮するミレ・ジェディナック、日本でもお馴染みのかつて千葉でプレーしたマーク・ミリガンが高いレベルでポジション争いを行う中盤には、それなりの人材が揃う。左右のウィングにも生きのよい若手が出てきており、大きな不安はないが、どうしても全体的に小粒な印象は拭えない。
残りの期間、みっちりと準備ができたとしても、強豪がひしめくグループBのアンダードッグは、誰がどう見てもサッカルーズということになる。冷静に考えて、現有戦力ではグループ通過は楽では無いというのが偽らざる感想だ。
ポスタコグルー監督も「とてつもない挑戦で、(格下になる)オーストラリアにとっては、これこそ望んでいたものとも言える。W杯本番で、新聞の見出しを大きく飾るチャンスを得られたのだから」とチャレンジャー精神を隠さない。
何をともあれ、悪い意味で新聞の見出しを飾らなくてすむよう、サッカルーズには意地を見せての名誉ある敗退を“豪州番”としては望みたい。
担当記者による分析
ノルマ:名誉あるグループリーグ敗退
目標: あわよくばベスト16
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