名将ハリルホジッチの手腕
アフリカ予選はブルキナ・ファソと合計スコア3-3ながら、アウェーゴールの差で何とか2大会連続のW杯出場権を手にした。普通に考えれば大半の関係者やファンから“やや緩い”と評価されるH組でも4番手の存在だろう。
ただし、選手のポテンシャルは決して低くないだけに、10年W杯の後に代表入りした選手たちがさらにフィットすれば決勝トーナメント進出も夢ではない。
北アフリカで唯一の参加国となるアルジェリアを率いるのはボスニア・ヘルツェゴビナ人のハリルホジッチ監督。南アフリカW杯の予選においてコートジボワールを圧倒的な強さでW杯出場に導いた攻撃的な指揮官だ。
その前回大会でコートジボワールが実力を存分に発揮できなかったのはドログバの負傷もあるが、ハリルホジッチが本番前に首脳部との確執により解任されたことも大きな要因だったと言える。
しかし、ハリルホジッチは単なる攻撃サッカーの信望者ではない。フランス仕込みの守備戦術をチームに植え付け、攻守のバランスが取れたソリッドな中盤をベースに、ショートパスと縦の仕掛けをミックスしたスタイルを実現したのだ。
さらにアルジェリア協会と共に、フェグリやタイデルなど欧州育ちのアルジェリア系選手を熱心にスカウトし、欧州の中堅国に匹敵するタレント力を確保した。
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