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現監督は南アから数えてなんと5人目の指揮官。中南米の雄、メキシコに待ち受ける茨の道

中南米の雄、メキシコ。W杯でもベスト16の常連だが、今大会予選は苦戦した。何度も監督交代があり、一向に進まないチーム作り。本大会まで時間がない中、果たしてチームを完成させることができるのか。

text by 池田敏明

暫定監督時代が半年も。進まぬチーム作り

 ドイツW杯終了後から南アフリカW杯開幕までの間、メキシコ代表は混迷の道を歩み続けた。北中米カリブ海予選で苦戦を強いられ、ウーゴ・サンチェスからスヴェン・ゴラン・エリクソン、そしてハビエル・アギーレと4年間で2回の監督交代を経験。

 指揮官が代わるたびに選手の顔触れも変化し、国民からの批判の声は絶えなかった。そして今回のブラジルW杯予選、メキシコはこの時の教訓を全く生かすことができなかった。

 南アフリカW杯終了後、最初の親善試合はエンリケ・メサ、続く3試合はエフライン・フローレスと、暫定監督を立てる時代が半年も続いた。結局、当時トルーカの監督だったホセ・マヌエル・デ・ラ・トーレがクラブとの契約満了を迎える2011年から指揮を執ることになったが、半年間のタイムロスは痛手だった。

 デ・ラ・トーレ体制がスタートした当初は好調だった。11年のCONCACAFゴールドカップでは無敗優勝を飾り、翌2012年にはW杯予選の3次ラウンドで6戦全勝と危なげなく最終ラウンドに進出。

 夏のロンドン五輪では、A代表のヘッドコーチを務めるルイス・フェルナンド・テナに率いられたU-23代表が金メダルを獲得し、選手層の底上げにも期待が膨らんだ。しかし2013年に入って最終ラウンドが始まると、チームは突如の不振に陥り、全く勝てなくなってしまった。

 ジャマイカ、ホンジュラス、アメリカと3試合連続で引き分け、続くジャマイカ戦では勝利したものの、パナマとコスタリカにも引き分け。前半戦を終えた時点でわずか1勝しかできず、国民が懐疑的な目を向け始めた。

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