「韓国戦の時、ずっとナナメに走ってた」
「相手に当たったシーンはホントにハンドだった。審判も見えてたと思う。日本にとってはすごく痛かったけど、韓国のホームだししょうがない。ザック監督になって1試合やってみて、守りは組織的になったと思う。攻撃に関してはタテの動きを意識している。
戦術的にいろいろ細かいところはあるけど、やっていることを積み重ねて自分のサッカーにしてくれと言われた。そういうふうに持っていくことが大事ですね」と彼は自分に言い聞かせるように話し、当時プレーしていたロシアへと戻っていった。
ザックジャパン発足2連戦の後、松井はロシアのトムスクで試合出場機会を手にするべく奮闘していた。2004年から6年間過ごしたフランスを離れ、厳寒の地の赴く決断をするのは勇気のいることだっただろう。それでも自分をより進化させ、日本代表で戦い続けるために、彼はあえて苦難の道を選んだ。
「ザック監督の代表合宿に10日間参加してみて、選手個々が1個のボールに対してどう動くのか、戦術をしっかり理解してるのか、自分のサッカーをちゃんと考えてやっているか、状況に応じたポジションを取っているかを監督が徹底しているんだと思った。
練習が終わった後もビデオを見ながらフィードバックをしっかりやっていたし、注文がもっと多くなっていくんじゃないかと感じましたね。
ザックさんの戦術は、守備は簡単にサイドに追い込んでボールを取る。どっちかのサイドに抑えてからボールを奪いに行く。1対1を作られないように2対1の場面を多くするという感じ。
攻撃はダイアゴナルに走ってディフェンスラインを下げて、そこでチャンスを作ることを合宿ではずっと言われました。だから僕は韓国戦の時、ずっとナナメに走ってた。圭佑は真ん中でどっしり構えていればいいから、僕と真司がもうちょっとダイアゴナルに走って入れ替わることができれば、もう少しいいサッカーになる。流動的に動くことができると思いました」