不安要素②:マドリーとバルサの確執
では、果たしてその算段はいかがなものかというと、2010年とは明らかに異なっていると言わざるを得ない。現在、スペイン代表は緩やかな変遷期を迎えている。常に優勝候補でありながら決して優勝することのない不運な無敵艦隊は、いまや過去になった。
だが、デル・ボスケ率いるスペイン代表の成功は、グアルディオラが作り上げたFCバルセロナという成功モデルがベースにあってのものだった。その時から、スペイン代表システムは、4-4-2から4-3-3へと移行し、それが現在まで続いている。
だがその時期、スペイン代表には負の遺産も残された。モウリーニョ率いるレアル・マドリーとグアルディオラのバルサがあまりにも激しいライバル戦を繰り広げたため、それが代表内にも影響を及ぼした。
セルヒオ・ラモスからの内部告発もあり、この事実は確認されている。グアルディオラ、ティト・ビラノバも、ジョゼ・モウリーニョもいなくなり、両者間の喧噪は収まったかに見えたが、モウリーニョは立ち去る前に現スペイン代表にあまりにも大きな打撃を与えていった。カシージャス外しだ。