不安要素①:嫌な相手、チリ
各国代表のワールドカップグループ分けが決まった。最初からグループ分けが出来上がっていたのではないか、という疑惑が持ち上がり、サッカー界はその話題であふれているが、疑惑がわいたのは今が初めてではない。
真相を明らかにするのは大事なことだが、だからといって、世界中のジャーナリストを集めて大々的に費用もかけて行なった祭典での結果を今更、やり直しにするとも考えにくいわけで、文句を言いながらも、それぞれの代表は、自分達が当たったグループ内で戦うしか道はない。
その中で、“はずれくじ”を引かされた、つまり死のグループに入れられたと感じているのが、スペインだ。同グループで戦うのは、オランダ、チリ、オーストラリア。中でも、FCバルセロナのアタッカー、アレクシス・サンチェスが攻撃の主軸となっているチリは、抽選前から、ビセンテ・デル・ボスケ代表監督が当たりたくない代表クラブとして具体的に名前を出していたチームであり、悪い予感は当たる好例となってしまった。
スペインがワールドカップで目指す目標、それは、ずばり優勝だ。最低ラインは準決勝だが、優勝以外、視野に入れていないというのが正しい。昨年、コンフェデレーション杯ではブラジルを前に倒れたが、そのリベンジを兼ねてワールドカップの大舞台で南アフリカに続き、ユーロに次いでワールドカップでも二連覇を狙っている。
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