抜群の安定感を見せる守備陣。“10番”として牽引するネイマール
再登板初戦となった2月のイングランド戦で敗北を喫するとイタリアなど強豪国相手に引き分けが続き、「強豪相手に勝てない」と前任のメネーゼスが浴び続けた批判を受けたスコラーリ監督だったが、王国が真価を発揮したのがコンフェデレーションズカップ。
本大会に向けた確固たるスタイルを確立すべく挑んだこの大会で、ブラジルは堅い守りから相手の隙を鋭くつけ込むスコラーリ監督らしい勝負強さを見せつけた。どちらかとスロースターター気味の試合運びをしがちな王国だが、日本戦などで見せたように立ち上がりは前線からハイプレスを敢行し、ネイマールらのハーフカウンターで主導権をつかみとる勝負巧者のスタイルを確立した。
課題だった背番号9にはメネーゼス体制終盤には招集さえされていなかったフレッジが台頭。また、コンフェデ前は守備面の脆さが指摘されてきたが、高さと強さを持つルイス・グスターヴォが指揮官の抜擢に応え、バイタルエリアの堅さが加わったことで、世界最高峰のセンターバック、ダヴィジ・ルイスとチアゴ・シウヴァも抜群の安定感を見せている。
今夏から満を持して欧州に進出したエース、ネイマールはバルセロナでもそのポテンシャルの高さを発揮しており、コンフェデの直前に自ら志願して背負う背番号10が相応しいオーラと、勝負強さを発揮。本大会でもタレント揃いのカナリア軍団を牽引するはずだ。
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