強いメンタリティが発揮された第二戦
首都ザグレブのマクシミール・スタディオンにおける第二戦。クロアチア国民の期待が低い証左に、チケットがキャパシティ半分以下の1万5千枚しか売れず、シュケル会長は地方のサッカー協会やスポンサーを通してタダ券をばら撒いた。しかしながら、どんな券であれ、W杯出場を信じて疑わず、スタジアムに駆け付けたサポーターは幸運だった。
「マクシミールでこんな素晴らしいクロアチアは、この数年見た記憶がない」
試合後のコンファレンスルームで再会したミロスラフも興奮している。27分に先制したFWマンジュキッチが、その11分後に悪質なタックルをかましてレッドカード。それでも1人少ないクロアチアは怯むことなく、まるで「12人」いるかのように戦った。
後半開始直後に右SBスルナが追加点を挙げてW杯出場を手中に収めると、あとは試合終了のホイッスルを待つのみ。アイスランドはプレーオフ最弱国だったにもかかわらず、前日まで彼らに怯えていたのが嘘だったかのようだ。
「最も辛い時こそ最も強くなれる」
クロアチア・サッカーに携わる誰もがこぞって主張するメンタリティが、最後の最後で発揮された。