結果が出た大会に見える共通項
日本代表がこれまで出場してきた4つのW杯は、結果とメンバー編成を共通のキーワードにして2つに分類することができる。
2002年日韓共催大会と前回の2010年南アフリカ大会。そして、1998年フランス大会と2006年ドイツ大会。言うまでもなく日本代表が決勝トーナメント進出という「結果」を残したのが前者であり、グループリーグで姿を消したのが後者となる。
ならば「メンバー編成」で2つのグループに共通する要素は何なのか。実はベテラン選手がサプライズ的に招集されていたか否かの点でも、前者と後者は明確に分け隔てられる。
2002年大会ではFW中山雅史(ジュビロ磐田)とDF秋田豊(鹿島アントラーズ)が、2010年大会ではGK川口能活(ジュビロ磐田)がそれぞれ電撃的にメンバー入りしている。
大会開幕時の年齢は中山と川口が34歳で、秋田が32歳。3人のうち中山だけが実際にピッチに立っているが、それも途中出場の一回のみ。W杯を含めて豊富な経験を持つ3人は、戦力としてよりもチームの「まとめ役」期待されて招集されていた。
なぜなら、2002年、2010年の両大会に臨んだ日本代表はともに、ベテランたちにチーム内の調整役を託さざるを得ないほど切迫した事情を抱えていたからだ。
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