オマケだったW杯特集
そしてこの付録という扱いをどう捉えるかだが、スペシャルというよりオマケといった感触がある。本誌はというと、グループステージ最終節を控えたチャンピオンズリーグの特集が巻頭に組まれ、まだまだドイツ国内の関心事はヨーロッパにある、と言って差し支えないだろう。
2013年12月11日付のSportBild誌でも(同誌は毎週水曜発売である)、組み合わせが決まったW杯については、折り込みの付録扱いだった。表紙には「実際に3つのグループ対戦国は強い」とあるが、文字も小さく、SportBildはKickerに比べより大衆色が濃いので、多少の煽りが入っていると思われる。
引き続き先程のKickerの記事を見ると、突破後にトーナメントで対戦することになるかもしれないスペイン、アルゼンチン、イタリア、そしてホスト国のブラジルを警戒しているようである。
優勝を念頭に置きながら、トーナメントも含めて全体的に抽選結果を考えている。そして同記事を執筆したオリバー・ハルトマン氏は、この抽選結果を「確かにレッドカーペットは敷かれていないが、微かなバラ色が煌めいている」とし、筆を置いている。
そして付録扱いを考えてみれば、ケルン駅の地下鉄のホームに佇んでいた人たちの姿にも合点は行く。赤いマフラーを巻いたドイツ人の関心の行方は、W杯ではなく、2部の首位をひた走るオラが街の1.FCケルンにあったのである。
つまるところ組み合わせが決定したばかりのドイツ国内は、まだまだ釜に火が入れられた段階、と言ったところだろう。
付録という扱いは、自負の裏返しとも言えるのかもしれない。そこにW杯の頂点を現実的な目標とするサッカー大国のプライドが見て取れるのである。
【了】
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