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対戦国より“第4の敵”、W杯よりCL。まだまだ下火の“ブラジルへの熱”に見える大国ドイツのプライド

text by 本田千尋

「第4の敵」への強い警戒

 そうして記事を読み進めると、どうやらブラジルの気候を警戒しているようである。要するに、高温多湿が第4の敵、ということだ。「見えないリスク」とは熱帯気候のことであり、環境要因が「4」における4番目の敵なのである。

 そこで付録の最後に掲載されている会場紹介のページに目を移すと、「Hexenkessel」=「魔女の釜」という大きく赤い文字が目に飛び込んでくる。魔女の釜とは少し大袈裟な気もするが、確かにドイツに住むと、日本のように夏の夜に寝苦しいということはない。昼間、高温になろうとも、夜間の快適な睡眠は約束されている。

 サルバドール、フォルタレザ、レシフェの各3会場の紹介とともに、それぞれ昼、夜の気温と湿度が記されているが、多湿と無縁のドイツに住む人からすればおよそ70~80%の湿度と高温は、それこそグツグツ煮えた釜の中に放り込まれるようなものなのかもしれない。

 付録内にはチームマネージャーのオリバー・ビアホフ氏のインタビューも掲載されているが、同氏も「高温の試合会場なので、はっきり言ってグループGは避けたかった」と述べている。

 肝心の対戦相手についてだが、「sichtbaren」=「目に見える」とする3つのライバルは旧知の相手であるとし、例えばポルトガルについてはEURO2012のグループリーグにて1-0で勝利していることを例に挙げるなど、本グループは突破しなければならない、としている。

 この付録に目を遣ると、ビアホフ氏の談話も含め、グループリーグにおいては対戦相手を決して軽視はしないながらも、「第4の敵」を警戒している印象を受ける。要するに、突破は義務であるが、不確定要素もあり油断は出来ない――そんなところだろうか。

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