チェアマンが考えるJリーグの未来
――今後、どういうリーグを目指していきたいとお考えですか?
「世界に伍すると言いたいところですが、少なくともアジアの中でJリーグはいろんな意味で評価されています。やり方もそうですし、システムもそうです。八百長もなく、そのために審判にもいろんな形で投資しています。育成の部分も今までずっとやってきました。
その結果、Jリーグも発展し、日本代表も強くなってきました。だから、我々がしっかりとした理念や活動方針を持ってやってきたこのベースは絶対になくしてはいかんと思います。
その上で、さっき言ったクラブがある程度の特色を持ったり、独自性を持ったり、まわりから見ていても面白いな、サッカーって面白いなというものをメディアやテレビを通じて発信していければ良いなと思います。
その意味で、みなさんに関心を持ってもらうことが重要ですし、一番大事なのはピッチ上のクオリティをしっかりやっていくこと。簡単に倒れない、審判に文句を言わないなど、そういったことを含めてやっていかないといけない。
あと、今やっているのは観戦環境の整備。少しでもお客さんに来て頂くことはもちろんですが、安全に見て頂く観戦環境だったり、女性や子供たちが来ても『楽しい』と言ってもらえる環境であったり、屋根を付けることも必要ですし、やっぱり雨が降ったら屋根がないといかんですよね。
そういうことは、今まで以上に口を酸っぱくして言っています。その意味では少しずつ、改修されたり、新しくできたりするものもありますので、この2、3年のうちにいろんな形で出てくると思います。
観戦環境についてはずっと言い続けていかないといけないですし、やり続けていかないといけないと思います。トイレ一つにしても数を多くつくらないといけないでしょうし、そうした小さなことをきっちりやっていかないといけない。とはいえ、まずはやっぱり屋根でしょうね。簡単にはできないとは思いますけど…」
――行政側の反応もだいぶ良くなってきたのでしょうか?
「そうですね。これはずっと言い続けてきたことが形になってきたのだと思います。スタジアムというのは、サッカーをやるためだけでなく、防災施設や複合的な施設になっています。
やはりブンデスはすごいですよね。スタジアムも町中にあるし、複合施設でスーパーマーケットが併設されていたり、レストランがあったり、まさにコミュニティの場になっている。そういうスタジアムが1つでも2つでもできてくれば良いなと思います」
【了】