反対意見は届いているのか?
――今回の改革に対し様々な意見が出ました。それはチェアマンの耳にも届いたと思います。
「物事を変えるには様々なご意見もあるだろうし、それぞれの思いがあると思います。そのときに、こういう現状があることをしっかり認識し、危機感を持つことからスタートするべきだと思います。
日本人はどちらかというと細かな切り口を詰めていくのが得意だと思いますが、やはり現代のグローバル社会においては、物事もグローバルに考えて、高所あるいは大所から眺めて、そして実際の個別の問題に入る筋書きが必要だと思うんです。
コアなサポーターの方の意見も把握しています。確かに、説明不足と言われる部分もあると思います。しかし、ここは我々や実行委員会が方向性を出さない限り前に進まない。方向性が定まっていない段階で世の中に問うことをすると、余計に混乱すると私は思っています。
まだ、最終的に決まっていないところもあるんですけど、あまりネガティブに考えず、大きな流れの中でやっていくべきだと思っています」
――まず現状の問題として、いまのJリーグの体制を保つためにはお金が足りない、ということが、最初のスタートと理解していいでしょうか?
「こういう話をすると『じゃあ、お金か』となってしまうので、私は決してそうじゃない、と。確かにお金の部分もありますが、お客様が減ってきている、地上波の放送も半減して少なくなってきている、国民の関心事、これはJリーグだけではないのですが、全般的に落ちてきている。
ここはしっかり変えて歯止めして、回復に持っていかないといけないと思います。リーマンショックがあって、その後の経済は日本だけでなく世界も変わり、右肩下がりでずっと来ている。
ただ、少しずつ下がっているという危機感を肌で感じるのが難しいところがあると思うんです。日常の生活においても。このまま下がっていくのが4年、5年放っておくと、将来に禍根を残すことになる。ここは、いまのタイミングで手を打ち、15年から改革をやるべきだと思います」