“影の大物”キャプテン・デニソフ
右ウィングは欧州予選のラスト3試合でサメトフが先発したが、ビストロフ、リャザンツェフなど猛者がしのぎを削り、最も競争が激しいポジションとなっている。ただ、誰も得点面で多くの期待はできないため、中盤と前線の連携がさらに向上すれば、本格派のアタッカーをもう一枚、ここに加えるプランも出てくるだろう。
その第一の候補がロシア随一の個人能力を秘めるジャゴエフであることに異論の余地はないだろう。しかし、CSKAモスクワの試合を良く見る方ならご存知の通り、試合によって山の天気の様にパフォーマンスが変わるため、カペッロ監督にいまいち信頼されていない様子。彼が前線の一角にはまり、ケルザコフが良い状態で本大会を迎えれば、成長著しいココーリンと併せ、強力な3トップが完成するのだが。
良くも悪くも波のある前線とは対照的に、中盤は盤石だ。デニソフがトライアングルに構え、ファイズリン、シロコフがインナーハーフをつとめる中盤は守って良し、ボールを回して良し、シンプルに展開して良しと三拍子が揃っている。
キャプテンマークを巻くデニソフは国内リーグに止まるが、実は多くのビッグクラブが狙い続けていた“影の大物”。守備陣との連携にも優れ、並のチームでは彼を突破してバイタルエリアに侵入するだけでも至難の業だ。
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