アルシャビンの穴埋める逸材
アルシャビンに代わり攻撃の中心を担うのは23歳で本大会を迎えるココーリン。流れる様な高速ドリブルは相手の脅威だが、チャンスの機を逃さないビジョンがチームの攻撃をスケールアップさせる。
基本ポジションとなる左サイドでも、中央でも決定的な仕事ができ、ディナモ・モスクワの同僚であるデニソフからのスルーパスを絶妙なタイミングで受けて放つミドルは、はまったら列強のディフェンスラインでも止めがたい。
ココーリンは欧州予選で4得点とフィニッシュに関しても頼もしい存在だが、本大会でカギを握るのは3トップの中央に張るケルザコフの出来だ。フリーランニングの質が高く、ボールを持てば重心の低いドリブルから左右の足でゴールを狙えるが、大舞台で勝負弱い面がある。
守備面の貢献度も高いため、コンディションに問題無ければ、この実績十分のストライカーがスタメンを張るのは間違いないが、韓国との初戦で彼が得点力を発揮できずに勝ち点3を逃す事態になれば、カペッロ監督としてはスモロフやジュバといった大型FWへの切り替え、あるいはココーリンを中央に配置するなどの決断が求められる。
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