「私のこと好きなんちゃう?」と思わせるファンサービス
ファンサービスの熱心さも、彼女たちの心を揺さぶる大きな要素であるという。確かに、柿谷のファンへの愛情は尋常なものではない。練習場では長時間サインに応じることもあり、赤ちゃんを見つけると自ら抱っこをしてあやす。
そういった対面形式の場面では、上述した柿谷の「自然な感じ」や「親近感」といった部分がまさに発せられるのだ。とある女性は、柿谷のファンサービスの丁寧さに「この人私のこと好きなんちゃうかな、と思った」と話している。
ファンサービスは、ファンが選手と触れ合うことのできる貴重な身体接触の機会である。そこは選手の人間性や人となりがまさに表出する場であり、ストーリー性やメディア露出から柿谷に興味を持ったファンが、彼により夢中になってしまうには十分すぎるほどの効力を持っている。
身体接触の場で醸し出される人間性――。モテを目指す上で大切にしたい、3つめのキーワードである。
ここまで、柿谷のモテを支える象徴的な意見を見てきた。私のような非モテが柿谷の人気についてまとめるのは、全くおこがましいと言う他ない。柿谷選手ならびに柿谷ファンの皆さん、すみません。
しかし、内田が圧倒的なルックスを武器にこれほどまでの人気を博してきたのに対し、柿谷の人気を支える因子はやはりそれとは異なるようだ。もちろん、内田の魅力がビジュアル面だけでないことは理解している。
私が言いたいのは、両者のモテ方におけるグラデーションの違いである。私たち(多くの男子)は、内田のようなモテ方を望むことはできない。しかし、今の柿谷フィーバーから女性の深層心理を学ぶことくらいはできるかもしれない。
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