北東部とイトゥ。あまりに異なる環境
かつてぼくは、元日本代表の廣山望を追いかけて、レシフェに長期滞在したことがある。美しい海岸線を持つ、レシフェの太陽はサンパウロよりもずっと強い。海岸沿いは風が通るのだが、試合が行われる『アレーナ・ペルナンブッコ』は内陸部にある。高温に加え湿度に悩まされることだろう。
また、三試合目のコロンビア戦が行われるクイアバの天候は癖がある。
内陸部にあるクイアバも年中通して蒸し暑い。ただ、アンデス山脈から風が吹くと一気に気温が下がるのだ。
この試合地を見ると、まだ決定ではないとしても、本当にイトゥが日本代表の合宿地に相応しいのか、少々疑問である。
というのも、イトゥはW杯の行われる時期、雨はほとんど降らず、過ごしやすい天気が続く。一次リーグが行われる三カ所とはかなり天候は違う。
強豪国と本当に優勝を狙える国の差は大きい。W杯ではピッチの外でどのような準備をするのか、総合力が問われる。その意味で、ブラジル北東部に適切な練習施設が存在しないと判断し、新施設を建設するドイツ代表は優勝候補に値する。
一方、日本代表はどうだろう。高温多湿の合宿地を含めて複数の候補地を準備、その中から敢えてイトゥを選んだのか。最初からイトゥしか用意していなかったのか――その差は本番で明らかになるかもしれない。
【了】
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