ドログバに一切パワー負けしていなかった
試合は日本の長谷部現主将がコートジボワールに対して「何もできないと感じる相手だった」と認めるほどの完敗(0-2)。当時、日本のチーム状態が下がっていたことを差し引いてなお、コートジボワールは格上の相手だった。
だが、闘莉王はドログバに一切パワー負けしていなかった。恐れてもいなかった。そして、激しい接触プレーから、結果的にドログバの腕を破壊した。W杯開幕直前とあって、この一件は試合後にFIFAが問題視しているとの一部報道もあったが、結局お咎めはなし。
それどころか、コートジボワールと同組の母国ブラジルメディアから「相手エースを破壊した選手」として取材が殺到したほどだった。その後ドログバは驚異的な回復でW杯予選リーグ3試合を戦っている。
ケガをさせてしまったこと自体は褒められることではないが、闘莉王はドログバとの再戦が果たされればまた立ち向かっていくだろう。
ドログバには嫌なイメージが残っているかもしれない。未だ待望論のくすぶる田中マルクス闘莉王。その闘莉王の母国ブラジルで開催されるW杯。そして、大事な初戦の相手がコートジボワールに決まり、何が何でも抑えるべきストライカーが、あのディディエ・ドログバという運命の巡り合わせ。
あれから4年が経ち、闘莉王は33歳、ドログバは35歳で迎えるW杯となる。はたしてピッチ上の再会はあるだろうか。
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