前線には好選手揃うが…
グループステージで同じ組に入ったのは、いずれもW杯優勝国のウルグアイ、イタリア、イングランド。イタリアのチェーザレ・プランデッリ監督は「我々が知らない相手であるコスタリカが最も難しい」と語ったが、情報を集めて分析をすれば「恐るるに足らず」と確信するのではないか。有力選手は何人かいるものの、強豪国と比べると格は一枚も二枚も落ちる。これが、筆者のコスタリカに対する率直な評価だ。
ラテンの国らしく選手たちの技術力は高く、特に前線にはそれなりのタレントがそろっている。現チームのキャプテンでもあるブライアン・ルイスは得点力とチャンスメーク能力を兼ね備えたレフティーで、右サイドからのカットインと左足の強烈なシュートが持ち味。予選最終節のメキシコ戦で先制点を叩き込むなど、大舞台での勝負強さも兼ね備える。
最前線はベテランのアルバロ・サボリオと新鋭ジョエル・キャンベルが併用されており、本大会でも調子のいいほうが先発メンバーに名を連ねるはずだ。サボリオは力強いポストプレーと豪快なシュートが自慢の本格派ストライカーで、キャンベルは爆発的なスピードと正確なフィニッシュを武器にゴール目がけて突進する。
左サイドのクリスティアン・ボラーニョスは、2005年のクラブ世界選手権にデポルティーボ・サプリサの一員として出場し、エネルギッシュなドリブルと卓越したチャンスメーク能力で好評価を獲得してリヴァプール移籍寸前までいった選手。ベテランの域に達しつつある今も非凡な攻撃センスは健在で、高精度のクロスで決定機を演出する。
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