即戦力として期待されている本田
「もう公にしていいだろう。我われは契約書を準備し、それを今日まで公表せずにおいたが今は言える。本田は1月3日から我われの選手になる。背番号は10番だ」
沈黙は破られた。本田圭佑がCLプルゼニvsCSKAモスクワを闘った翌日の11日、ミランのガッリアーニ会長は、本田の1月移籍を正式に発表した。これで「本田が移籍したらミランはどうなるか、彼はどう機能し、果たして通用するのか」という話が、空想や妄想ではなく現実的な推論として成立するようになった。
ただこの3ヶ月間で、いや夏の移籍交渉の時点からチーム状況は目まぐるしく変化している。ベルルスコーニ会長の肝いりでシステムは2トップになると言われていたものの、実戦に入れば3トップも組み、しかもトップ下のポジションにはカカーが移籍してきた。
たたでさえ途中加入でチームに適応する時間が与えられない中、本田にポジションはあるのだろうかという心配が立つのも、ごく自然なことだ。
しかし現在のチーム状況を見れば、本田に場所はある。いやむしろ、彼は即戦力として期待されている。すでにアレグリ監督らコーチングスタッフとディスカッションは済んでいたのか、ガッリアーニ副会長は起用のアイディアも明かした。
「クリスマスツリーの中で、右の攻撃的MFとして使われる」。つまり、4-3-2-1でカカーと2シャドーを組ませるということだ。
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