ザックは柔軟性を発揮し、優勝へ……
ACミランでザックのもとで優勝を経験したコスタクルタ氏は、当時をこう振り返っている。
「ザックはすぐに受け入れられたわけではなかった。例えば、司令塔のボバンだ。優勝したけど彼との関係はよくなかった。
他にも、わざとユニフォームを反対に着てきた選手もいたぐらいだ。世界的なプレイヤーが揃っていたのでまとめるのは難しかったんだ」
しかし、ザックはそこで柔軟性を発揮。司令塔を置かない3-4-3システムだったが、ボバンを生かした戦い方がチームのためになると考えると、シーズン終盤にボバンを司令塔に置いた3-4-1-2にシステム変更。
これが功を奏し、見事優勝を果たした。そういった柔軟性を持っているのがザックの持ち味とも言える。
セリエAで3位に躍進したウディネーゼ時代には、自身の地元・ロマーニャ州の郷土料理であるピアディーナをみんなに振る舞ったことで、チームの絆を強めたことがあったなど、人身掌握の面でもマネジメントがあったというベルトット氏の証言も寄せられている。
番組の最後、ザックは少しの笑みを浮かべてこう言い切った。
「今の日本代表は自分の考えを持っていてバランスもあるチーム。しかもありえないほどのスピード感で世界を驚かせるチームなんだ。負けることを恐れずに勝つことだけに集中するよ」
ザックジャパンは本大会でサプライズを起こせるのか。
【了】