駆け引きの上手さ
ディフェンスとの駆け引きの上手さも、特筆すべきものがある。サイドから入ってくるクロスに飛び込むタイミングが、ディフェンスのそれよりも早いため、相手DFはなかなか対応しづらい。
元々、ディフェンスは自陣ゴールに背を向けてFWに対応しているため、同じタイミングで飛び出せば、前向きに動き出すオフェンスのほうが有利になる。このような動きを得意とするため、ファルカオは相手の一瞬先を取ってボールを叩き込むことができる。
まだ27歳と働き盛りのファルカオが、この先にどのようなキャリアを積むことになるのか。少し気になるのは、アトレティコ・マドリーがどちらかというとカウンターやクロス主体のチームだったこと。
ポゼッションサッカーをベースとするビッグクラブへの話が持ち上がったとき、たとえば2列目で細かくつなぐコンビネーション型のチームにおいて、どのくらい馴染めるかは未知数だ。フェルナンド・トーレスが、スペイン代表やチェルシーでフィットし切れていないように、意外な苦労を強いられるかもしれない。
6000万ユーロの膨大な移籍金を払った新天地モナコも、そのようなコンビネーションサッカーを志向するわけではなさそうだ。手堅いサッカーを手早くつくり上げるタイプのラニエリ監督の元では、今までどおりのファルカオのままで充分にフィットできる。
このモナコのままで欧州の頂点を目指すのか、あるいは異なるスタイルと融合するために『新・ファルカオ』が見られるのか。1、2年後のファルカオが楽しみだ。
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