「アッレグリ監督が必要としている選手である」

――成功する条件は何だと思う？

「豪奢な生活で足を踏み間違えるようなことはない。真面目でプロ意識が高い選手であり、健全な選手だ。27歳という年齢も、経験を変えるのにいい年齢であって、サンシーロのような大きなスタジアムでの環境に飲まれてしまうような、若く未経験な選手ではない。

　日本代表のリーダーで、優れたクオリティーを持っている、彼をよく知っている関係者は、彼がいかに強いメンタルを持っているか僕に話してくれたから、僕には分かっている。だから、トッテナムやエバートンも本田を獲得したいと奔走していた。ミランは夏に獲得すべきだった。今頃、4、5点は勝ち点が違っていたはずだ」

　ガゼッタ・デッロ・スポルトのミラン担当、マルコ・バゾット記者（担当歴4年）にも本田加入の印象を聞くと、同じく肯定的な答えが返ってきた。

――本田のミラン入りをどう見る？

「本田は高い技術を持った選手で、ミランで成功すると思う。チームのための犠牲も惜しまない、現代的な感覚の選手だ。攻撃も出来るが、守備の仕事も惜しまない。攻撃も守備もする寛大な選手。アッレグリ監督が必要としている選手である」

――成功できないリスクはあるか？

「すべては彼自身によるだろう。個性、アプローチによる。ミランのチームは、クラブハウス、練習場は溶け込みやすい環境となっている。チームメイトも助け合えるように準備される。今ミランはいい状況ではないが、彼なら成功できると思う。

　昨日もベルスコーニ会長がクラブハウスを訪れ、話をしていたが、今季は難しいという事実をまず理解することが大切だ。会長は一人ひとりの選手に、『ミランの選手である以上、勝たなければならない。全力を出さなければならない』と話して、ミランのユニフォームを着るということがどういうことか、いかに重要かを、精神的に植えつけている。

　本田には代表経験もあり、ヨーロッパでプレーした経験もあり、戦術的にも応用が利く。現在4-3-2-1でバロテッリが動かせないトップ、本田はカカとポジションを争うよりも、今はエルシャラウィと争うことになるのではないか。

　カカの存在は、本田にとってプラスとなるし、成功への道だと思う。カカはミランの環境をよく知っている。本田に多くの経験を伝えることができる」