23点中15点が後半に決まったもの
チリ戦を例に想定してみると、「何が何でも3点挽回するぞ!」ではなく、「サンチェスとビダルの突破を止めることだけに振り回されているので、後半からは中盤でグアリンとマクネリーがハメスの両側に入って、3人で幅の広い攻撃を仕掛けて先手を取りましょう」といった感じだ。
実際コロンビアは、後半から中盤で主導権を握り、前線でのチャンスを一気に増やして3点挽回。予選通過を決めて、バランキージャを歓喜の渦に巻き込んだ。
ペケルマン監督はこのように、非常に優れた戦術眼を持っている。予選の途中からコロンビア代表監督に就任して13試合を指揮し、チームがマークした計23得点のうち、15点が後半に決まったものだ。
ペケルマン監督がチームにもたらす後半の反撃力は、予選で最も失点が少なかった守備力とともに、南米中のメディアから高く評価されている実績のひとつである。
そんな「知将」に導かれるコロンビアは、予選の全試合で先発出場した守護神ダビド・オスピーナ、37歳の大ベテランCBマリオ・ジェペス、あのカルロス・バルデラマが「自分の後継者」と絶賛する指揮官ハメス・ロドリゲス、UEFAヨーロッパリーグで2季連続得点王に輝いたラダメル・ファルカオらに代表されるタレントが揃う魅力的なチームだ。基本布陣は4-2-2-2だが、対戦相手によって、また試合の流れ次第で多様な変化を遂げる。
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