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Jリーグ 11年前

超混戦で“面白い”が“儲からない”Jリーグ。停滞感打破にビッグクラブは必要か?

text by 川端暁彦 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Kenzaburo Matsuoka

2ステージ制はプレミア構想のための様子見?

 しばしば議論になる「チーム数の圧縮」、つまりプレミアリーグ構想の背景にあるのは、こうした考え方である。これは単に下位クラブを切り捨てる「富の集約」の議論と思われがちだが、むしろ「上が富めば下も富む」という資本主義の理想論に近い。

 上に行きたい選手と下から買いたいクラブが合わされば、自然と選手を売って儲けるという市場も活性化していく。上が引っ張る形でJリーグ人気自体が大きく上がれば、自然と下部リーグの収入も増えていくという論理だ。

 この論理の怖いところは「上が富まなければ下も富まない」こととニアリーイコールである点である。プレミアリーグで集約化しても放映権料は伸びず、観客動員も大して増えず、スポンサー収入もほどほどだったとなれば、むしろJリーグ崩壊の端緒となりかねない。

 5チームによって争われるポストシーズン、スーパーステージの導入が、こうしたプレミアリーグ構想の様子見を兼ねた施策、アドバルーンではないかという少々うがった見方があるのは、そうした背景あってこそである。

 実際に「ポストシーズン制でボロ儲け」ということが現実化するならば、次に来るのは「じゃあ、このやり方を続けていきましょう」ということではなく、「もっとラジカルな改革をしていきましょう」ということではないか。

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