高い攻撃力だがバランスは崩れない
チーム全体として高い身体能力を誇るコートジボワールだが、“キング”ドログバの存在感は今もって絶大だ。6月の予選を前にメンバーから外れたこともあったが、試合に出れば最前線から攻撃を引っ張り、頑強な肉体と確かな攻撃ビジョンでチャンスの起点となる。そして鋭く正確にゴールを捉える直接FKも大きな得点源だ。
ドログバは苦しい時間帯ほどチームにスピリットをもたらせる真のリーダーだが、全盛期に比べればゴール前の決定力に陰りが見えることも事実。短期決戦で爆発する可能性もあるが、ドログバの“衰え”を気鋭のボニーや快速ストライカーのドゥンビアが補うことになる。
[4-3-3]を基本システムとして迫力ある攻撃を見せるコートジボワールは、アフリカ予選で8試合19得点を記録した。高い個人能力が主体となるが、ドログバを頂点とした3トップはワイドでもセンターでも仕事ができる選手が並び、流れの中でポジションが交換されることも少なくない。
特にドログバとボニーが揃っている時は、対戦相手の日本も臨機応変なマークの確認が求められる。
ドログバのポストワークを起点に波状攻撃をかけるのがコートジボワールの基本スタイルだが、誰かれ構わず攻撃に参加して攻守のバランスを崩すことはない。元フランス代表MFのラムーシ監督が指導するチームは適度にオーガナイズされており、攻勢時においても守備のリスクはしっかり管理されている。
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