攻撃を組み立てるキャリックの不在大きく
アウェーのカーディフ、トッテナム戦で2試合連続引き分け、ホームのエバートン戦ではとうとう敗戦を喫したマンチェスター・ユナイテッド。立て直しが急務だった今節のニューカッスル戦では、エバートン戦と同じ1-0のスコアで再び敗れた。
11月初旬、ユナイテッドらしい勝負強さで首位アーセナルを相手に勝ち点3をもぎとった後、突如、赤い悪魔は4戦2敗2分と不調に陥った。
その不調の原因は明らかだ。ユナイテッドの攻撃を組み立てる選手がピッチ上にいないからだ。低い位置でそれをこなすマイケル・キャリックはアーセナル戦後に負傷離脱。うまくボールが全体に行き届かなくなった。
さらにニューカッスル戦では香川真司が体調不良で欠場。高い位置でその役割を担い、リズムを生み出す選手もいなく、攻撃が単調になってしまった。香川は突然のことで止むを得ない面もあるが、キャリック不在がここまで大きな影響となってしまうのは問題だ。彼が復帰するまで悪い流れがずっと続くことになってしまうからだ。
両足でボールを扱い、低い位置から攻撃を組み立てるキャリックは、ユナイテッドのピッチ上の指揮官。彼がいるのといないのとでは、ユナイテッドのパフォーマンスは大きく変わってくる。
キャリックの代役を近いレベルで果たせる唯一の選手が、40歳のベテラン、ライアン・ギグスだ。実際、エバートン戦ではモイーズ監督の采配ミスもあり敗れたが、中盤からの組み立て自体はそこまで悪くなかった。
では、何故ユナイテッドの他の選手達はキャリックの代役を果たすことができないのだろうか。
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