チームと噛み合なかった香川
先週行われたチャンピオンズリーグのレバークーゼン戦、香川のトップ下起用は驚くほどに“はまった”。しかしトッテナム戦では、これまた驚くほどに“さっぱり”だった。
プレミアリーグ第13節トッテナム対マンチェスターユナイテッドの一戦は2-2の引き分けで幕をとじた。日本代表MF香川真司は84分までプレーしたが、味方選手とうまく絡めず、目立つ場面も少ないままピッチを去った。
ただし、この香川の低パフォーマンスの責任を、本人だけに押し付けるのはフェアではない。明らかに周りの選手から効果的なサポートを得られなかったのも確かだ。
香川が一番輝くのは、「香川をうまく使える中盤の選手がいる時」というのは、既に広く知られた話だ。香川は良いタイミングで縦パスをうけて、ターンしてから自身の創造性を発揮する。そして多くの場合、香川によいボールを供給するのは、組み立ての起点マイケル・キャリックだ。または、レバークーゼン戦で好連携を披露したライアン・ギグスも「香川をうまく使える中盤選手」の内の一人だ。
ただし前者は、負傷離脱中、後者はローテーションの兼ね合いで欠場。トッテナム戦でスタメンを飾った中盤は、フィル・ジョーンズとトム・クレバリー。ジョーンズは守備的なMFで組み立てに関する貢献はほとんど期待できない。よって、トム・クレバリーに期待したが、残念ながらそれは裏切られてしまった。
ここ最近不調が続いている小柄なイングランド人MFは、トッテナムの屈強な中盤、ムサ・デンベレ、パウリーニョ、サンドロの三人に完全に潰されて沈黙。結果、香川をピッチ上で孤立させてしまった。