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気温差約25℃、総移動5500キロになることも。対戦国だけではないW杯の「死の組」

text by 下薗昌記 photo by Kenta Tazaki

過酷な戦い必至のE組4とD組4

 最南端の会場のポルト・アレグレや標高900メートルの町、クリチーバはドイツ系やイタリア系の移民がかつて好んで定住したように、冬には欧州さながらの冷え込みを見せる。平均気温こそ15度程度だが、午後7時のキックオフの時間帯には10度を割る事も珍しくない。クリチーバのアレーナ・バイシャーダで6月の夜に筆者は試合取材をしたことがあるが、7度という日本さながらの冷え込みに凍えたものだった。

 東西4336キロメートル、南北4320キロメートルに及ぶ国土に点在する12会場。運命の組み合わせ抽選会を前に、既に各グループの開催地は決まっている。

 A組からH組までの中で、気候条件の「死の組」となりそうなのがE組4だろう。初戦はポルト・アレグレで午後4時、第2戦目がクリチーバで午後7時と文字通り、冬さながらの冷え込みの中で試合をこなした後、グループリーグ最終節の会場となるマナウスへ。飛行機で5時間近い移動をした上で、「緑の地獄」とさえ言われるアマゾンの真っただ中で暑さと湿度とも戦う必要に迫られる。

 コンフェデレーションズカップの決勝前、イタリアを率いるプランデッリ監督は「コンディション的にはブラジルが有利」と言い切っていたが、スペインは準決勝までの4試合中3試合を北部で行い、消耗戦を強いられていた。

 シーズンを終えたばかりの欧州勢には辛いグループとなりそうなのが、A組3のナタル(しかも午後1時キックオフという殺人的な時間帯だ)、フォルタレーザ、レシフェ、C組4のレシフェ、ナタル、クイアバ、D組4のマナウス、レシフェ、ナタル、G組1のサウヴァドール、フォルタレーザ、レシフェ、G組4のナタル、マナウス、レシフェと言える。

 特にD組4は初戦を除けばいずれもキックオフは午後1時で、30度を超える灼熱のピッチで戦うことが濃厚となりそうだ。

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