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マンUの中では貴重な存在。MFマイケル・キャリックはなぜ香川真司と呼吸が合うのか?

text by 清水英斗 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

難しいボールは、すべて右足

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 技術的なポイントでは、キャリックは左足でのゴールやアシストもあるが、重要なのは左足を使う際に決して無理をしないということ。ボールに当てるだけで、フォロースルーを振り抜いていくこともない。

 というのも、振り抜いてしまうとコントロールが乱れやすく、ゴールの枠や味方の足元から外れてしまうからだ。右足では縦のロビングパスを出すが、左足で同じプレーをすることはない。難しいボールは、すべて右足。

 中盤の短いコンビネーション、相手ゴール前で詰めるときに左足を使う。この辺りにおいてもキャリックは、自分にできるプレーと、できないプレーを知っている。

 己を知るに足る選手。たとえば、FWが無理にドリブルを仕掛けようとしてあっさりDFに身体を入れられるようなシーンがあるが、それは自分と相手の能力を把握しきれないからこそ、起こるプレー。

 逆にそのくらいの向こう見ずなところがなければ、攻撃の選手としては物足りないところはあるが、ボランチというポジションは冷静に己を知る選手でなければならない。キャリックは性格的にも、このポジションに向いていると言える。

【了】

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