香川はトッテナム戦をどう噛み締めているのか
今、香川は日曜のトッテナム戦をどのように噛み締めているのか。あの体験を、困難だらけだった試合をどう感じているのだろう。
プレミアのフィジカルで速いサッカーを嘆くのか。それともその極限の体験を反芻しながら、次の飛躍をイメージしているのか。
これまでも数々の技巧派がプレミアの壁を乗り越え慣れずにイングランドを去った。マンチェスター・ユナイテッドで印象に残るは、元アルゼンチン代表MFのフアン・セバスチャン・ベロンか。
しかし、サッカーの母国の強さを身につけ、世界最高峰に登り詰めたロナウドという存在もある。
まずは今回、プレミアのトップスピードの中で、信じがたい技術を見せる最高の試合を体験した。
問題は今後、この体験を踏み台にしてさらなる高みにどうやって到達するかである。
そんな香川の課題が浮き彫りになった今、1日のトッテナム戦を終えたばかりだというのに、12月だけでマンチェスター・ユナイテッドの公式戦はまだ8試合も残っている。
これこそイングランドの伝統的な年末過密スケジュールのなせる技。例年なら過酷さばかり目立つ日程だが、それがなぜか今年の場合は“悪い試合も経験のひとつ。そんな経験をも次々と重ねて急速に進化するのだ”と、24歳の若い香川に対してそう問いかけているかのように見えるのは、果たして気のせいなのだろうか。
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