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サッカーから差別がなくなる日は来るか。依然として少ない同性愛カミングアウト

text by 鈴木肇 photo by Hajime Suzuki

差別をなくしていくためには…

 かつてチェルシーやイングランド代表などでプレーしたグラエム・ル・ソーは現役時代、女性と結婚して子供がいるにもかかわらず同性愛者というレッテルを貼られていた。その理由として、ル・ソーが他のサッカー選手と異なり、パブでビールを飲むことよりも芸術鑑賞を愛し、高級車や若い女性に熱中するよりも新聞の経済面を熟読することを嗜みとしていたからだと言われている。

 以上、サッカー界におけるセクシュアル・マイノリティの過去と現在について述べた。では今後、この問題についてわれわれはどう考えるべきか。

 最も大事なのは、「知る」ことだろう。マイノリティ問題において必ずといっていいほど出てくるのが「偏見とは無知なり」という言葉だ。日本でもセクシュアル・マイノリティに関する書籍は当事者自身の体験談も含めて数多く販売されている。

 先述したル・ソーは2007年9月に発表した自叙伝のなかで自らが経験したゲイ差別について記しているので、ぜひ手にとって読んでみてはいかがだろうか。

 昨年10月、オランダサッカー協会がセクシュアル・マイノリティ問題に対する意識向上のためにCMを作成。クローゼットを身にまとった選手が最終的にはクローゼットを脱ぎ捨て(カミングアウト)、チームメートに受け入れられるというストーリーになっており、CMの最後には以下のメッセージが表示されている。

「ゲイ? おかしなことなんて何もないよ」

【了】

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