クロス、シュートともにゼロだった内田篤人
対するシュトゥットガルトも得意のワイドアタックを見せるものの、ベルナーを内田、トラオレをフクスが厳しくチェックし、クロスを上げられても長身FWのイビセビッチがドンピシャで合わせる形を作らせなかった。シャルケにとって前半の大きなピンチと言えば、攻守の切り替わりからベルナーに中央を破られた31分の場面ぐらいだろう。
そして前半34分に先制し、後半の立ち上がりにPKで2点差としたシャルケは守備のラインを下げ、ウィングのファルファンとドラクスラーも自陣に引く形を取ると、シュトゥットガルトも攻勢を増した。
それにより「エリア内侵入」も逆転したが、リードして後半を迎えた中での守り方を選手たちもしっかり理解しているのだろう。高い位置にボールが入っても、慌てることなく縦を切ることができていた。
最も危険だったのはクリアが小さくなったところでの二次攻撃で、65分には内田のクリアを拾われたところからベルナーが右足でシュートに持ち込んだが、内田が体を張ったブロックで切り抜けた。最後まで無失点で終えることができたのは、冷静さと粘りの両面で、チームとしての守備組織ができていた結果だろう。
さて内田の個人データを見てみると「エリア内侵入」の起点となるパスが2回で、自らの侵入は1回だった。さらに公式データを参照するとシュートもクロスも無く、パスは34本中の16本がミスパスと、攻撃に関してはパッとしないどころか、評価基準によっては今季でも最低ランクかもしれない。
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