苦戦も2度の決定機を生かし切る【写真:goal.com】
11月30日のリーガエスパニョーラ第15節、アトレティコ・マドリーは敵地マルティネス・バレロでのエルチェ戦を2-0で制した。13勝1分け1敗と驚異的なペースで勝ち点を重ねるシメオネ監督のチームは、勝ち点40で2位に位置している。
「簡単な試合? 簡単という言葉は知らない。外からは楽観的に見えるかもしれないが、我々はピッチ上に存在する現実と戦っている」。シメオネ監督の言葉通り、マルティネス・バレロで行われたこの一戦はアトレティコにとって困難なものに。ミッドウィークのゼニト・サンクトペテルブルク戦(1-1)で休ませた多数の主力選手をピッチに立たせながらも、エルチェの堅守を前に攻めあぐねる時間が続いた。
アトレティコは11分、コケの右CKからボックス内に勢いよく侵入したガビがヘディングシュートを放ったが、ボールはGKマヌ・エレーラの正面へ。また34分にはコケのクロスをM・エレーラがキャッチし損ね、こぼれ球をジエゴ・コスタが叩いたものの、これはダミアンのブロックに遭った。ボアキエの決定機を許すなどエルチェのカウンターにも苦慮し、手応えを感じさせぬまま試合を折り返す。
後半もアトレティコが苦戦する状況は変わらず、61分にはカルレス・ヒルにミドルを放たれ、GKクルトゥワの好守によって失点を回避した。シメオネ監督はその直後にビジャとの交代でラウール・ガルシアを投入。すると、このパンプローナ出身MFが活路を切り開いた。63分、R・ガルシアの強烈なミドルをM・エレーラが弾くと、こぼれ球に反応したディエゴ・コスタとボティアがもつれ合ってともに転倒。そこに詰めたコケがボールを押し込んだ。
リードを得たシメオネ監督は70分に、アルダ・トゥランに代えてアドリアンを投入。エルチェが前に出てきたことで堅守速攻が生きるようになると、74分に“パンテーラ(D・コスタの愛称、黒豹の意)”がついに咆哮を上げる。2008-09シーズン、レンタルで在籍したアルバセテでもエルチェ相手にゴールを奪った経験を持つD・コスタは、アドリアンの絶妙な浮き球から最終ラインを抜け出し、冷静にリーガ15点目を記録した。
その後エルチェにボールを保持する権利を譲渡したアトレティコだが、最後までインテンシティーを発揮してゴール前に近付けず。決定機こそ乏しかったものの、効果的なプレーによって勝ち点3を持ち帰っている。