ついに「美味しい食後感」を得る位置まできた讃岐
2011年3月発売「サッカー批評」第50号をお持ちの方がいらっしゃったら、88~91Pを開いてほしい。そこには私の拙稿「カマタマーレ讃岐の挑戦」が掲載されているはずだ。まずはその末尾を原文のまま掲載したい。
Jリーグの法人創設から今年で20年目。これまで私たちは「Jリーグ」の夢を追いかけるあまり、背伸びしすぎてJで苦労したクラブや、Jリーグ入りを断念したクラブを数多く目にしてきた。
しかし、そんな過去の反省を踏まえ、アイディアをつなげ、人脈をつなげ、「釜玉うどん」のようにこしのあるクラブを作ろうとしているカマタマーレ讃岐のアプローチは、これまでのクラブと明らかに一線を画している。もちろん、これから登る山も平坦ではないが、彼らのJFL挑戦が、「Jリーグ昇格」という美味しい食後感で終わることを心より祈りたい。
あれから丸3シーズン。ついにカマタマーレ讃岐は「美味しい食後感」J2昇格へ手を掛ける位置まで来た。12月1日・8日の両日行われるJ2鳥取とのJ2・JFL入れ替え戦に連勝、ないし2戦合計の得失点差で上回るなどすれば、1956年・高商OBクラブ創設以来、58年目にして初のプロリーグ入りを果たすことになる。
ただ一方で、讃岐はこの戦い「絶対に勝利しなければならない理由」を数多く抱えている。それは登ってきた山が平坦どころか、あまりに険しいもの。加えて、クラブ自身もそこへ向かって背伸びをしまったからだ。