今後重要になってくるのは“三角形”
これは、これまでのコラムでも何度か主張してきたことだが、ユナイテッドのエースの座を取り戻しつつあるルーニーが、今チーム内で最も一緒にプレーしたいと思っている選手が香川である。狭いスペースで技術の高い連携ができる選手。攻撃陣の中でボールを渡して、戻してくれる選手。それが香川なのだ。
そのことが分かって来たのか、ルーニーを生かすためという動機もあって、モイーズ監督も最近は香川をヤヌザイより重用しているのは明らかだ。
それではファン・ペルシーが帰って来た時、どうすればいいのか。
僕の尊敬するサッカー記者のひとりに、日経新聞の吉田誠一氏がいる。彼は取材対象が変わりやすい新聞記者の中、ここ20年間、サッカー一筋に取材を続けている。またイングランドのサッカーに非常に詳しく、「フットボールの熱源」という素晴らしいコラムも連載している。
その吉田氏が昨季、ファン・ペルシーが台頭して来た時に話してくれたことを思い出した。
「ファン・ペルシーも連携できる選手です。香川は左サイドでもいい。けれどもファン・ペルシー、ルーニーと三角形の関係を作る。この三角形の関係を基本に、状況によってポジションチェンジを繰り返しながら、連携すればいいのです」
なるほど、その通りだ。
現在、股の故障だというファン・ペルシーは、自分が欠場した土曜日のカーディフ戦と水曜日のレバークーゼン戦をどのように眺めただろうか。