データで検証する意義とは?
ザックジャパンにおいて攻撃の中心を担っているのが本田圭佑であることは間違いないが、彼の存在価値を疑う意見や時には“不要論”もささやかれる。たが、肯定的な意見も否定的な意見も具体的な実証に基づくものは非常に少なく、言わば“印象論”で語られる傾向がとても強い。
そこで選手の実質的な貢献度を知る手掛かりになるのがデータの検証だ。本田が実際にどれだけ効果的な働きをしているのか。11月26日に筆者が刊行した『サッカーの見方が180度変わるデータ進化論』(ソルメディア)において、データに基づく1つの明確な回答を示している。
本書は「基本データの活用法」「データの新機軸」「サッカーの常識を疑え」という3つのコンセプトからデータの見方を提示し、実際の試合観戦に活用していただくためにまとめたものだ。「基本データの活用法」の中には[ゴール]という項目があり、「日本代表のゴールパターンを読み解く」と題して[ゴール]に関する3種類のデータを表している。
その1つ【ゴール参加】はチームの得点シーンにおいて、それぞれの選手がボール局面に絡んだ回数をデータにしたもの。ここではアジア最終予選の8試合で記録した16得点のうち、2つのPK(本田が得点したものだ)をのぞく14得点を対象に、どの選手が何回の得点シーンに絡んだかをカウントした。
【ゴール参加】にはゴールとアシストだけでなく、攻撃の起点や中継点となった選手も含まれる。もちろんオフ・ザ・ボールでもパスコースを空ける動きなどで関わる方法はあるが、ボールに触った選手が直接的に絡んだと評価するべきだろう。このデータを見ることで、本田の実質的な貢献度が浮き彫りになるはずだ。