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景気に左右されない本当に強いサッカークラブのつくり方「今すぐ非営利法人をつくりなさい」

text by 鈴木康浩 photo by editorial staff

「サッカークラブはサッカーばかりをやっていてはいけない」

「これは究極の目標になりますが、たとえば、さいたま市の120万人が1万円ずつ支援したら120億円。その120億円でトップチームの株式を半分くれませんか? と言えるわけです。過半数を持てば経営ができるわけですから。

 120万人には老人も子どもも含まれるので、60万人でもいいでしょう。それならば60億円。Jリーグではもっとも大きな予算を持つクラブになるし、スポンサードもいらない。極論ですが理想のクラブ形態と言えるわけです。それでも、当然、60万人が支援するかという大きな疑問がありますよね?

 実際、埼玉スタジアムには6万人しか集まっていないわけで。全然足りていない。だからこそ、サッカークラブはサッカーばかりをやっていてはいけないんです。百年構想にも『色んなスポーツクラブを作りましょう』と書いてあって、この20年間でもリーグ主導で各クラブとともにチャレンジはしてきました。

 その点、やはり欧州は進んでいます。たとえば、ブンデスリーガでドルトムントがなぜ平均8万人も入るのか。ドイツの人たちはスタジアムでサッカーをやっているという感覚ではないんですよ。平日はバスケをしていても、週末にバイエルンと試合をやるならば応援にいくぜ、という文化がある。

 日本はリーグが創設されたのがトップダウンで企業母体のクラブから始まったという経緯もありますが、未だにJクラブがサッカーが好きな人にしかアプローチできていない。だからこそ、開幕して20年が経過した今、総合型スポーツクラブを作るという百年構想の理念に立ち返るべきだと思います」

【了】

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プロフィール

谷塚哲(やつか・てつ)
1972年埼玉県生まれ。武南高校・順天堂大学とサッカーを続け、社会人は地域リーグでJFL参入を目指す。30歳で現役を引退し、行政書士試験合格。平成17年にスポーツ法務事務所/谷塚行政書士事務所を開業。専門家による専門的なスポーツマネジメント組織の確立を目指し、REGISTA.LLPを立ち上げる。

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