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【専門家が一刀両断!】なぜJクラブの経営危機は繰り返されるのか?「チーム成績頼みのギャンブル経営を止めるべき」

text by 鈴木康浩 photo by Ryota Harada , editorial staff

“攻めの経営”ではダメなのか?

――そのあたりが理想になるのはよくわかりますが、一方でこうも感じるんです。そういう地域のファンの支援を増やしていくためにも、まずはクラブのファンの裾野を広げることが重要。

 まだまだ地域になくてはならないものになっていない日本のサッカークラブが昇格という手段を使うのはアリではないかと。昇格すれば観客も増えるし、分配金も増えるし、何よりも地域にクラブの存在をアピールできる。たとえ即J2へ降格したとしても、クラブが一度でもJ1という舞台を経験することの重要性といいますか。

 もちろん、それを支える観客収入やスポンサー収入などを底上げする努力が不足していたのは指摘されて然るべきですが、チーム強化に多少のリスクを負うこと自体は否定されるものではないように思うんです。

「攻めの経営をして上へチャレンジするということですね」

――そうです。ただ、かつて大分で溝畑さんがやったようなある種の暴走は繰り返されるべきではないと思いますし、あの出来事がクラブライセンス制度導入の引き金になったわけですけど、一方であれは溝畑さんの野心的なパーソナリティが多分に影響していることであって、ほとんどのクラブのトップは分をわきまえているというか、大分のような事例はそうあるケースでもないように感じます。

「ええ、おっしゃることはすごくよくわかりますよ。ただ、そこに対する僕の考え方としては、まず一つは、そもそもJ2へ昇格する、J1へ昇格する、勝った、負けた、だけでしか収入が上がらないとクラブが考えていること事態が間違っているということです」

――それはわかります。チーム強化だけにかまけて観客を増やす努力などを十分に行わないのであればギャンブル経営でしかない。

「そういうことです。どれだけ良い選手を集めても勝負事は勝てないことがある。巨人は楽天に勝てませんでした。もちろん、勝てば収入が上がることは間違いないでしょう。ただし、負ければ得るものがなく、同時に収入もなくなるということ」

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