攻め込むもゴール遠く
雪の舞うブカレストで、試合を優勢に進めたのはシャルケだった。ボアテングが膝の怪我で欠場することとなり、ドラクスラーも体調不良でベンチスタートするなど、攻撃陣に若干迫力を欠く中、内田の相棒=ファルファンが10月1日以来となるCLの舞台に帰ってきた。
ファルファンが右サイドに入ると、内田との間にやはり一筋の確かな軸が通る。その軸が引いてはチーム全体の安定にも繋がり、アオゴ=フクスの左サイドも小気味良く攻撃を仕掛けていった。
サッカーにおける我慢にも色々な種類がある。相手の猛攻に耐える、退場者を出し人数において不利な状況に耐える、そして、ゲームを優勢に進めながらも、なかなか先制ゴールを割れない展開に耐える…などである。
ルーマニア王者を相手にしたシャルケに強いられたのは、まさに3番目の我慢だった。ファルファン、マイヤー、フクスを中心に攻撃を仕掛けていくが、最後のところでゴールを割ることが出来ない。
ディフェンス陣にはGKにヒルデブラントに代わりフェアマン、CBにマティプに代わりサンタナと、いつもと違うメンバーが顔を揃えたが、そんな中でも内田は安定したプレーを見せていた。
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