「頑張ることは大切だけど、頑張りすぎもよくない」
あれから約4年が経過し、岡崎自身もシュツットガルトで2年半、マインツで半年プレー。海外の厳しさや難しさを実感しながら1つひとつハードルを乗り越えてきた。ブラジルには代表の中心として行きたいという思いも少なからずあるが、今は逆にどんな役割でもいいからチームのために戦って、日本を勝たせたいという気持ちも強まったという。
「自分の中では途中から出ようが何だろうが、チームのために戦える準備はしています。それくらい代表が好きっていうことですね。みんなのこともすごい好きだし、サポーターの期待もうれしいし、あのチームで勝ちたいと思うから。
海外にいると、試合に出られない選手がすごい態度で出したりすることも多いけど、僕はそうなりたくない。日本としてW杯で1つの大きなことを成し遂げたいんです。
そういう中で、自分がいいプレーをするためには、やっぱり要求なのかなと。自分のほしいところにどれだけ出してもらえるかが大事だから。南アの頃はみんなが苦しくて、苦しい状態でボールが来るという感じで、それで(本田)圭佑がはまった感じだった。
でも自分も違うやり方をしていたらはまってかもしれないと思うんです。今だったら大雑把なボールでもいいから前に出たボールを自分が頑張ってキープするとかもある。自分のリズムでやれると思うんですよね。
1回ミスしてもとにかくブレないこと。『ああ俺、チームの足引っ張ってる』とか『ミスしたら試合に出れなくなる』とかいう雑念は捨てて、自分のペースでやっていくこと。それが一番だと思います。
自分のやっていることが結果的にチームのためになるのが理想ですね。頑張ることは大切だけど、頑張りすぎもよくない。ノープレッシャーでW杯に行きたいですね」
W杯が迫ってくれば、選手たちには凄まじいプレッシャーが押し寄せる。それを1度経験していることは大きな強みだ。ザックジャパンには岡崎を筆頭に、南アの紆余曲折を知る者が主力選手に多い。その貴重な経験を糧に、岡崎には今回こそ大きく羽ばたき、世界の岡崎になってもらいたい。
【了】