若手を引き上げる頻度はペップよりも高い
その答えの一つは、ニューウェールズ時代に見つかる。彼がニューウェールズを優勝に導いたことが語り草になっていると前述したが、その時マルティノは、ただ試合に勝って優勝しただけではなく、ニューウェールズの下部組織から育ったイレブンをピッチに立たせた上で、優勝してみせた。
これは、まさにバルサのカンテラ哲学と同じだ。実際、ニュースにはなることはないが、マルティノがやってきてから、彼はトップチームの練習に度々、ユースカテゴリーの選手を招待している。
それはバルサBの選手のみならず、更にその下の17、18歳のフベニルカテゴリー選手にまで及ぶ。実際、トップチームの練習や試合が行われない週末に、マルティノが下部カテゴリーの試合を見に来ているところを数回、目撃されている。
その試合で目を惹く選手がいれば、翌日にでもすぐにトップの練習を体験させている。その頻度がグアルディオラやティトよりも高いことは、興味深い。
実際、つい先週、まだフベニルカテゴリーにいる17歳のアダマ・トラオレをリーグ戦で公式デビューさせている。若年齢でのデビューを好まない監督も中にはいるが、マルティノ自身が選手として17歳でトップデビューしていることもあり、彼はそれに抵抗のないタイプであることを改めて証明したと言えるだろう。
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