引き分けの背景に、カーディフの奮闘もあったが、ユナイテッドの選手の不調も
さて、試合内容に触れていこう。はっきり言って、この日のユナイテッドのパフォーマンスが良くなかった。ただし、その背景には、カーディフの選手達の90分続けたハードワークがあった。前線の選手はプレッシャーを欠かさず続け、中盤の選手もガリー・メデルを中心に闘っていた。結果、ユナイテッドはこの試合で2点を決めたが、試合をコントロールできていない時間帯が長かった。
またユナイテッドは、何人かの選手の調子がよくなかったのも、チームのリズムを余計に悪くした。
今季素晴らしい活躍を披露していた、18歳の新星アドナン・ヤヌザイはやる気が空回った。もちろん良いプレーもあったが、それ以上にボールを持ちすぎて、悪いボールの奪われ方をすることも多く、総評すると高評価を与えるのは難しい。今季ここまで、若手選手にしては珍しく好不調の波がなく、良いプレーを継続してきたが、とうとう若さが出てしまった。ただし年齢が年齢なので、仕方がないと大目に見るべきだろう。ヤヌザイはこの日の失敗を活かし、今後は時折みせる過剰な自信をうまく抑える術をゆっくり覚えていくべきだ。
また、中盤の2枚のパフォーマンスもよくはなかったと言える。
マルアン・フェライニは守備的なMFと認識する場合、球際の強さはあるが守備範囲が狭い。また攻撃的なMFと認識するには、積極性を欠いたプレーで中途半端。ここまでセントラルMFとして起用されているフェライニだが、正しいポジションで起用されているかを改めて疑問に感じる一戦だった。もう一列前で、強いフィジカルを活かし、ボールをキープしたり、クロスに飛び込んだりする役割を与えたほうが活躍するのではないだろうか。
また、トム・クレバリーも簡単なミスを繰り返し、時にはあわや失点というシーンも招いてしまった。本来は短いパスと、ドリブルを織り交ぜ、リズムをつくるべき選手が、むしろ壊してしまったのは手痛かった。
もちろん、いくつかのチャンスを逃してしまった不運もあった。とはいえども、全体的にカーディフのパフォーマンスがよく、ユナイテッドのパフォーマンスが悪かったのを考えると、引き分けは妥当な結果という印象だ。